いつかのMerry Xmas
「あのね、私が韓国旅行に行くとしたら、ぜーったいにアンタにプレゼントなんて買わないよ?」

「普通、旅行先で買うのはプレゼントじゃなくてお土産だもんな」

――いや、そういう問題ではなくって。

「いったい、何やってんの?」

そう聞いた時、すぅとイチローの目が細くなった。

――気がした。

一瞬、寒気を感じて目を瞠る。
直後、彼は何でもない、いつもの笑顔を見せた。

「別に。
 たいしたことは、してないよ。
 人徳だろ、人徳」

「うっわ、それが一番ないものだって。
 なんで気付いてないかな?」

「気付いてないのはミユの方だろ?
 このプレゼントの山が既に物語ってるじゃん、現実を」

――そっかなー。

「つか、ここだけ無駄にバブリーな意味がわかんない」

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