続・女好き彼氏


「おや~?どうしたの、美夜?
 そんな青ざめた顔で俺を見て」


そう言ってくすくすと上品に笑って見せるその笑顔がとんでもなく怖い。


あたしはごくりと唾を飲み込み、重たい口をゆっくり動かした。


「いや、あの─…なんでツバメ様がこんなところに…」


あたしの目を焦りと動揺でキョロキョロと動いてしまう。


ツバメ様。


保健室の先生であたしと光太の幼なじみのような存在のお兄様。


見た目もかっこよくてまさに眼鏡が似合う先生。


でも残念なことに性格がとてつもなく歪んでる……あたしたちが最も嫌いな人間さん。


そんな鬼のようなツバメ様はあたしたちの家にいてにこにこと不気味に微笑んでいる。


その笑顔を見るだけでぞっとします。


「ツバメ、さっさと帰れよ」


動揺しているあたしの隣で笑っているツバメ様をおもいっきり睨みつけてきつい言葉を言ってのける光太。


光太っていつからこんな怖いもの知らずになってしまったのかしら。








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