幕末異聞ー参ー
弐章:第一次長州征伐


桂小五郎殿


万緑の夏も終わりを迎えようとしている昨今、貴方様はいかがお過ごしでしょうか?

なんて、硬い文章は不要だな。


禁門の事件は長州にいる俺まで届いた。
多くの同志の死は残念だが、お前が無事で安心した。
久坂が自害したそうだが、あれもあいつの生き方だったと自分に言い聞かせることにする。



さて、そろそろ本題に入らせてもらう。
京や大阪に出入りできないお前に本当はこんな事頼みたくないんだが、長州に力を貸してくれないか?

禁門の事件以来、薩摩・会津を中心とした幕軍が長州に残党狩りを仕掛けてきている。
外国の野郎共とやりあった傷が癒えきらない長州の者達だけでは流石にこれを躱し切ることは難しい。

俺たち奇兵隊も全力をつくしてはいるが正直、精神的にも体力的にもかなり辛い状況だ。

お前の力添えが必要だ。

いい返事を期待している。


           高杉晋作

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