俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

――――……

「…んぱい…せんぱい……篠原先輩!」


「……ああ?」


「ひっ…!! お、おはようございます……」


なんだ…悠由か。

…なんだその化けもんでも見たかのような顔はよ。


「……ど、どうぞ」


「ん」


びくびくしながらパンの袋を渡してきた。

こいつはまったく……俺をなんだと思ってんだ?


「あのー先輩。今日はさらに百円多いですけど」


「気のせい」


「……」


よし。こいつも分かってきたな…。


…しかし、二時間丸々は寝たな。

第一…あれだ。こいつがおせーから。

暇過ぎた。


なぜか離れたところへ移動しようとする悠由を隣に引き寄せると、頬をピンクに染めて顔をそらす。


「お前はいちいち……紛らわしいんだよ」


「な、なにがですか…」


そう言いながらもやっぱり俺を見ようとしない。


< 100 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop