俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
答えるのに一拍出遅れてしまい、また分かりやすいなとは思った。
でもまだ…彼女じゃねーし。絶対落とすけど。
「……そ、そうなんだ!! へー篠原に彼女かー。どんな子? 紹介してよ!」
「嫌」
お前なんかにあいつがついて来れるわけねーだろ。
可哀相なことんなるぞ。
「あらま…そんなに大事なんだ」
「……」
からかいの色が濃くなってきたところで、相手にするのは無駄だと判断してその場を立ち去った。
「あちょっとーーっ! 逃げんな!」
背後からそんな声が追いかけてきたが、当然無視して。
「…ハァ」
ったく……。
厄介なヤツに見つかったもんだ。
すれ違う女達の驚きや黄色い声とのダブル攻撃で、ますます眉をしかめた。
…早く悠由に会って…抱きしめてー。
手持ち無沙汰な自分の手を眺め、そんなことを思った。
あいつが来るのは昼休憩。
あと二時間待たねーとな……。
ったく。俺を待たせんじゃねーよ……。