俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「いやさ…言ったっしょ? 俺。帰ってこないつもりなんじゃないか…って」


「……」


「ちょっと薫…」


まさか……。


「当たってた…みたい」


「え……」


とても重たい石を、叩きつけられた気分だった。


先輩が……帰ってこない…?


急速に脈が速まっていく。


「見てみな、これ」


指差された先のものを見て、一瞬目を見開いて……次の瞬間、体の力が抜けた。







――悠由を頼む。

ここには戻れない。







それは……恐らく先輩の置き手紙。

薫さんが来ることを、見越してたんだ…。


「先…輩……」


うそ、でしょう…?


先輩……!


< 229 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop