俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
ゆっくりゆっくり、周りの景色を眺めながら、それに関わる記憶も思い返しながら。
初めてこの道を、こんな気分で通った。
「……お」
まだ…残ってたか。
安堵して、少し足を速める。
「…?」
誰か…いるのか?
珍しいな。
今まで一度も、人なんかいなかったのに…。
大して気にも留めず、徐々に徐々に、近づいていく。
「……?」
あの…丸まった人影……見覚えが…?
…というかあの猫っ毛のふわふわした髪の毛は…。
まさか……。
「悠由……!?」
近づくにつれ、確信した。
俺の……悠由。
悠由だ……。