俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

『だからお願いがある』


「おね、がい…?」


渇いた声で小さく問う。


『そう。…来てほしいところがあるの』


来てほしいところ…。


聞けば、明後日がお姉さんの命日で、毎年行く場所があるとか。

そこに…行ってほしい、と。


「先輩は……来るんですか?」


『たぶん。…いえ、絶対』


「……分かりました」


先輩に会えるんだったら……行く。

どこにだって行く。


『じゃあ場所を言うから…。ごめんね? 急ぎで。今あいつ風呂だからさ。出てこないうちに…』


こんな時間にお風呂?

…っていうか勝手に携帯触ってるんだ…。

なんかこう、血の繋がりを感じるな。



…そうして聞いたのが、この場所。

そして先輩は……ここへ来た。


会えた。

やっと……会えた。


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