俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「悠由?」


「…はあい?」


きょとんとして返事をしたあたしを見て、ほっと息をついた。


「先輩先輩。今日お弁当作ったんですけ…」


「お前が?」


「は、はあ」


なんですかその……驚きに満ちた表情は。

意外だみたいな顔。

言っとくけど料理くらいできますよ。


「見して」


「どぞ」


先輩の分を差し出した。

包みをとって、カパッと開くのを……思ったよりドキドキしながら見守る。


「箸」


「あ、はい」


ぶそっと卵焼きに箸を刺して、口へ持っていく。


「……」


わっはー……ドキドキする!

なんでなにも言わないんだろ…。


「先輩…?」


「……」


呼びかけてみても、黙々と箸を進め続ける。


食べてくれてるってことは…ちょっとは気に入ってくれたの、かな?


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