俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

感動でうるるんとして先輩の後ろ姿を見つめた。


「……お前、俺の」


「…………あ、はい?」


感動しすぎて反応が遅れちった。

なんか言いました?


「先輩?」


「なんでもねーよ」


「はあ……」


こういうときって……口数少ない人は困るよねえ。

たまに「ああ、先輩無口でよかった」って思うけど。

でも玲菜さん曰く「こいつ(薫さん)はまだしも、あたしや他の人間には文章で喋んないよ」らしいしな…。

単語ぽいって放り投げて終わり、みたいな。


これでいっぱい喋ってるだなんて…。

どんなだよ。


「…おい」


「へ?」


「なにぼーっとしてんだ。着いたぞ」


「あ…」


ほんとだ。

いつの間に…。


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