俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
中に入ると、時間帯のせいかだいぶ混んでいる。
十二時過ぎ…。お昼時だ。
「二名様ですね?」
そう言って案内してくれるバイトの女性。
先輩に釘付けだし…目、ハートなんですけど。
二名様ってほんとにあたし見えてる?
「……」
改めて先輩の今はちょっと不機嫌そうな顔を眺める。
本当に……かっこいいよね…。
顔だけじゃない。
足長いし……背高いし……体締まってるし…。
髪の毛も茶髪がかっててサラサラだし…。
「……」
……お肌すべすべだし…時折遠くを見つめる漆黒の瞳には吸い寄せられる。
「…? なに見てんの」
「素敵過ぎて…つい」
「はあ…?」
……あ。
「あ、い、いや……そのあのえっと…」
ハッと我に返り、慌てて両手を顔の前で振る。