俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

中に入ると、時間帯のせいかだいぶ混んでいる。

十二時過ぎ…。お昼時だ。


「二名様ですね?」


そう言って案内してくれるバイトの女性。

先輩に釘付けだし…目、ハートなんですけど。

二名様ってほんとにあたし見えてる?


「……」


改めて先輩の今はちょっと不機嫌そうな顔を眺める。


本当に……かっこいいよね…。

顔だけじゃない。

足長いし……背高いし……体締まってるし…。

髪の毛も茶髪がかっててサラサラだし…。


「……」


……お肌すべすべだし…時折遠くを見つめる漆黒の瞳には吸い寄せられる。


「…? なに見てんの」


「素敵過ぎて…つい」


「はあ…?」


……あ。


「あ、い、いや……そのあのえっと…」


ハッと我に返り、慌てて両手を顔の前で振る。


< 325 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop