俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「…サンキュ」


ふっと笑みをこぼしてそう言って、ほっぺたにちゅっとキスをしてくれた。


照れ笑いを浮かべて少し俯くあたし。

ぎゅっと優しく抱きしめられた。


「……」


そおっと背中に両手を回し、あたしも抱きつく。


「先輩……大好き」


「可愛すぎ。そういうの」


右手であたしの顎を掴み、くいっと上を向かせる。


「……」


じっと見つめられ…きゅんとするあたしに、先輩は。


「キスしてもいい?」


…そう聞くの。


ずるいよ…。

あたしがううんって言えないの知ってて聞くんだ。


「……ちゅーして?」


大切な何かに触れるように、優しく優しく口付ける。

触れるか触れないかのフレンチキス。

胸の中心がじんとする。



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