らいおんとはりねずみ
「本っっ当に東村くんが、チ…チューしたの?」
「…声大きいってば」
「やーんっ、あたしの衣李のファーストキスがぁ!!」
みちるが暴走し始めた。もー、キスキスうるさいよ。それにそこ、悩むところじゃないし。
「…ねぇ、みちる」
「んっ?」
「男って好きでもない女にキス出来るんだね」
悔しいよ、あたしは東村のことが気になってるのに、東村はあたしが小さすぎて見えないんだ。
「でも…本当にそうなのかな?」
みちるが首を傾げながらあたしを見た。
「あの東村くんだよ?女子ともあんまり話さない東村くんが、衣李にチューだよ?」
「だから何なのよ」
「もしかしたら、衣李のこと気にしててくれたり!?」
「ない、それはないから」