らいおんとはりねずみ





「本っっ当に東村くんが、チ…チューしたの?」


「…声大きいってば」


「やーんっ、あたしの衣李のファーストキスがぁ!!」


みちるが暴走し始めた。もー、キスキスうるさいよ。それにそこ、悩むところじゃないし。


「…ねぇ、みちる」


「んっ?」


「男って好きでもない女にキス出来るんだね」


悔しいよ、あたしは東村のことが気になってるのに、東村はあたしが小さすぎて見えないんだ。


「でも…本当にそうなのかな?」


みちるが首を傾げながらあたしを見た。


「あの東村くんだよ?女子ともあんまり話さない東村くんが、衣李にチューだよ?」


「だから何なのよ」


「もしかしたら、衣李のこと気にしててくれたり!?」


「ない、それはないから」






< 57 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop