Snow Princess ~雪の華~
そんなマリンに一抹の不安を覚え、リリアは恐る恐る聞いた。


「あの…マリンさま? どうしてそんなに落ち着いていらっしゃるのです?」

「え? ああ…お父様に叱られるのは慣れてるし、口で負けない自信もあるわ!」

「そーいう問題じゃねぇだろバカ野郎! お前は何も怒られるだけで終わるかも知れねーがな! 俺たちは首が危ねぇんだよ!」


キーファはマリンに指をつきつけて喚いた。その横でシーモアは力なく俯いている。


「何よ。そんなことが怖いならついてこなければよかったでしょ?」

「だぁら!…もうウザってぇな! しゃべるだけ無駄か。行くぞシーモア!」


キーファは顔を真っ赤にしたが、寸でのところでこらえ、拳を壁に打ち付けた。


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