Snow Princess ~雪の華~
「ごめんなさい、遅れま──?!」
マリンが書斎に着いたとき、キーファとシーモアはすでに憔悴しきっていて、ラミアとリリアはすっかり青ざめ、魂がどこぞに飛んでいったような表情をしていた。
「ああ、ようやくきたか。マリン」
マリンの到着に気づいて振り返った父・シャーマもどこか青ざめ、引きつった顔をしていた。
マリンは脇によけるフリをしてラミアとリリアに近づき、ひそひそと話しかけた。
「何があったの? みんなはともかくお父様まで……」
「そ、それが…あの……」