Snow Princess ~雪の華~
「お前さ、何でアイツの従者なんかやりたかったわけ?」
唐突にキーファは尋ねた。
「スッゴク忙しいって聞いたから」
「はぁ?」
キーファは間抜けな返事を返した。
しかし、リリアの表情はあくまでも真剣だ。
周囲の音が遠ざかる。
「なにもかも忘れたかった。でも死ぬのは嫌だったの。
だから、死ぬほど忙しいことをやろうって」
決して聞きやすいとは言えない声で淡々と語るリリア。
それでも、キーファの耳は一言も漏らさず捉えた。