Snow Princess ~雪の華~
笑いながら蹴り続けながらベリルは呟く。


「いい気味よねぇ…これが私を辱しめた報いよ」

「な、に?」

「あんたは黙ってなさいよ!」


バシッと顔を殴られた。
彼女は何がしたくて、何を言っているのかマリンはわからなかった。

ただ質問や口答えをすれば傷つけられることだけはわかった。


………


ふと気が付けば、マリンは自分の肉体から抜け出していた。

錯覚ではない。

確かにマリンは天井近くに浮いている。
体の痛みもない。


ちょっと楽しくなって部屋をぐるっと一週した。

どうやら、本の中のように壁をすり抜けたりは出来ないようだ。


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