Snow Princess ~雪の華~

「リリア…?」

「ご無事……ではなさそうですね、あんまり」


リリアはいつもの笑顔で安心させるように言った。

それが、怖い。

たった今、人を殺したのに。平然と


「リリア?」

「どうしました? どこか痛むところでもありますか?」


パン!


気がつけばマリンはリリアの手を叩き落し、壁際まで離れていた。
リリアは呆けた顔でマリンを見る。


「誰よ! あなたはなんなの?! 私をどうしたいのよ!」

「マリン様、いったい何の」

「聞きたいのは私のほうよ!!」


力の限り叫ぶと、リリアは差し出した手を下ろし、俯いた。


「わかりました。お話しましょう、私のことを」


< 246 / 432 >

この作品をシェア

pagetop