Snow Princess ~雪の華~
「リリア…?」
「ご無事……ではなさそうですね、あんまり」
リリアはいつもの笑顔で安心させるように言った。
それが、怖い。
たった今、人を殺したのに。平然と
「リリア?」
「どうしました? どこか痛むところでもありますか?」
パン!
気がつけばマリンはリリアの手を叩き落し、壁際まで離れていた。
リリアは呆けた顔でマリンを見る。
「誰よ! あなたはなんなの?! 私をどうしたいのよ!」
「マリン様、いったい何の」
「聞きたいのは私のほうよ!!」
力の限り叫ぶと、リリアは差し出した手を下ろし、俯いた。
「わかりました。お話しましょう、私のことを」