Snow Princess ~雪の華~
体を起こし、ゆっくりと部屋を見回し、一拍おいて――


「何……なんなのよ! これはっ!!」


すると、ガチャッという音と共にドアが開いた。
マリンは素早くベッドの端に縮こまり布団を手繰りよせ、目だけを覗かせた。


「おぉ、起きなすったか」


若干間延びした声と一緒に顔を出したのはもじゃもじゃの黒いヒゲの中年の男。

だが、ベッドからちょうど顔がでる程の身長しかない。

マリンの腰に頭が届くくらいだ。


マリンは呆気にとられて彼を見つめた。


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