Snow Princess ~雪の華~
リリーは部屋を飛び出し、走って廊下に消えた。
それを、反対側からやってきたシャーマが見ていた。
彼は開いたままのドアと隠し部屋を通り、匣を手に取る。
そしてロックを外し、蓋を開けた。
匣の中は水で満たされていて、底に二つのものが沈んでいた。
彼はうちひとつを出す。
それは…手のひらに収まる小さな林檎。
完全には熟れてなく、やや青い部分が残っている。
彼はそれをポケットに偲ばせた。
そして、名残惜しく匣をもう一度覗く。
「こうした自分を見るのは、久しぶりだな」
彼は踵を返して部屋から出た。
それを、反対側からやってきたシャーマが見ていた。
彼は開いたままのドアと隠し部屋を通り、匣を手に取る。
そしてロックを外し、蓋を開けた。
匣の中は水で満たされていて、底に二つのものが沈んでいた。
彼はうちひとつを出す。
それは…手のひらに収まる小さな林檎。
完全には熟れてなく、やや青い部分が残っている。
彼はそれをポケットに偲ばせた。
そして、名残惜しく匣をもう一度覗く。
「こうした自分を見るのは、久しぶりだな」
彼は踵を返して部屋から出た。