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「こんなことで梓さんと気まずくなりたくない」


「こんなこと？」


「あ……」


しまった。


やっと顔を上げてくれた梓さんは、涙を浮かべた鋭い目をオレに向けた。



「や、あ、そういう意味じゃなくて……」


「蓮くんにはやっぱり、同級生の女の子のほうが……いいんだよ」


「……本気？」

「え……」


「本気で言ってんの、それ？」


カチンときて、腕をつかんだ手に思わず力が入った。