狂暴わんこのひとり占め。




「戻れなくなっちゃえばいいじゃん」


「…っ、いやよ」


顔が熱いのが分かる。

そんな自分に嫌気がさす。



「あっ…灯夜!」


服に手が忍び込んできた。


「このままいーコトしちゃおーよ、ご主人様?」


「ダメだって…ひゃっ…」


灯夜の唇が、耳元の首筋に触れる。

同時に忍び込んだ手は、ゆっくりと肌を伝って行く。


「ほら、体は俺を求めてるでしょ?」


耳元で囁かれ、ビクッと反応してしまった。


「や…だめ…灯夜!」


身体中が熱くなる。


灯夜を押す腕には力が入らず、無意味に終わる。



「素直になりなよ。
それに俺はもう……」


――【ピンポーン!】





< 29 / 42 >

この作品をシェア

pagetop