金木犀〜恋の香り〜
「へぇそっか!ぢぁ俺、立候補しちゃおっかな☆」
「え?……なに言ってんの大輔くん。あ、家すぐそこだから。ばいばいっ」
「えっ…ちょっと南!」
そういって南は走ってどこかへ行ってしまった。
"好きな奴"の話題を出した途端に様子がおかしくなったのは明らかだ。
一人取り残された俺は、南を追いかける事も出来ず…そのまま家に帰った。
南には好きな奴がいるのかな……
その事ばかり気にしてその夜はあまり眠れなかった。