金木犀〜恋の香り〜
帰り際―
「ちょっと…」
絵麗名さんに引き止められた。
そして、。
「南ちゃん、元気かな?全然、顔見せてくれないからさ…ちょっと心配で」
「すいません…ちょっとわかりません。」
「あ…ごめんね。そんなしょっちゅうは会わないわよね…じゃあまた来てね」
「すいません…」
絵麗名さんは、俺の心の奥を読み取ったように…
「幸せにね」
と最後に一言だけ、言ってくれた。
ちょっとだけ不機嫌そうな、由嘉を横目に……。