この涙が枯れるまで
昼休みに和樹と待ち合わせした中庭に行った。
そこにはもう和樹がいた。
『何だよ?』
『昨日はまじさんきゅ!メールした』
僕はホントは動揺してたけど、バレないように隠した。
『どうだった?』
『めっちゃいい子!やばい俺本気かも…』
和樹は顔を両手で覆い隠し、その場にしゃがんだ。
『まじ?やったじゃん。頑張れよ』
僕はそんな和樹はただ、悲しく見つめることしか出来なかった。
『おう!じゃあな!!』
和樹は去って行った。
《やったじゃん。頑張れよ》
何て思うはずがない。
一瞬だけ僕は和樹になりたいと思った。
空を見上げると、二羽の鳥が楽しそうに飛んでいた。
僕はそれを羨ましそうにみて、教室に戻って行った。
だが、だんだんイライラしだした。
何だろう…この気持ち……
これってヤキモチ?
やばい…和樹にヤキモチをやいている…
でも人間って素直なんだなって思った。
教室に戻ろうとした時,
後ろから声が聞こえた。
『あの…』
振り返るとそこには、見たことない女の子がいた。
多分他クラスの子だろう。
背がすらっと高く、サラサラなストレートロングの髪の毛。とても綺麗な女の子。
百合も美人だけれど、この子も美人だった。
『何?』
『これ受け取って下さい!!』
突然渡された手紙。
僕はそれを受け取った。
僕が受け取ったのを確認して、その子は走り去っていった。