この涙が枯れるまで

『優君の好きな人は相沢さん?』



僕はすぐに返事が出来ない…声が出ない…



『何で…そんな事聞くの?』



『気になったからかな…』



ドクン・・・


『違うよ!!!ホントに!!』


そうだ、僕が好きなのは今目の前にいる百合だけだ。

誤解して欲しくない。




『じゃあ誰?』


今百合って言ったら信じてもらえないかもしれない…

だからまだ言わない…





『今は言えない…』



『そっかぁ』




『あのさ…あの…滝川先輩だっけ? あの人は誰なの?』




僕は短時間にいろいろな話を聞いた。


《滝川 直》


二個上の同じ学校の先輩



百合の元中学の先輩



そして百合の元カレ。


別れたのは入学式あたりらしい。


でも滝川先輩の方は納得してないみたいなんだ。


だからあんなにもめてたらしい。


滝川先輩が百合の元カレ…

滝川先輩は僕と違って大人っぽかった。



顔もかっこいい。



百合と付き合ってた。


またイライラしてきた。



ヤキモチ。



でも百合はもう好きじゃないと聞いて少し安心した。

じゃあ百合は今誰が好きなんだろう…




僕は百合を駅まで送ってあげた。

駅に近づくにつれ、人ごみが増す。


僕は百合が電車で学校に来ている事をこの時初めて知った。



まだ僕は百合の事を知らなすぎる。



僕は百合を見送って、家に帰った。


家に帰ると僕は反省をした。


百合が一番好きなんだ。



百合…


僕は君にこの想い伝えるよ…





< 37 / 419 >

この作品をシェア

pagetop