月夜に舞う
「ずいぶんと話しこまれていたようですね」
「ああ、不思議な人だった。私が穢れた神だと分かっていながらあのようにせっする」
本当に不思議な人だ。君は。
明日の夜また会える。
何千年振りだろうか?
明日に希望がもてたのは・・・
「彼女は、いったいいくつなのでしょうかね?神姫は歳をとらない」
「そうだ。新月の夜以外、死の危険があるわけでもない」
だが、雪羅はどこか寂しそうだった。
何千という時を寄り添え会えるものがいない私も・・・寂しいと感じているのだから。