どこかのカフェであいましょう


「きょーちゃーん、っと!お取り込み中だった?」


少しだけ開いた隙間から右半分の顔が覗いた
誰‥‥‥‥‥と思いながらドアを見ていると視線に気付いたのか覗いていた顔は少しずつ隠れていった


「し、失礼しました」


そう言い残し謎の人は立ち去った
が、父は「ちょっと待ってて」と言って部屋を出ていった


「ったく‥‥‥‥」


置き去りを食らったあたしはとりあえず部屋の中を観察しながらグルグルと歩き回った

デスクの近くに行くと隣にある本棚には、懐かしいあたしが小さい頃の写真と数人の男の子と共に笑っている父の写真が飾ってあった。


「あたしには会いに来なかったくせに‥‥‥」



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