どこかのカフェであいましょう


ソロソロとソファーに近付いた
後ろ向きにジャンプして座るってのがあたしの中での予定だった―――――筈 が


「いってぇ!!!!!」


ジャンプは見事成功
してたものの、ソファーに先客がいたらしくあたしはその人を踏んづける形になってしまった

「うわあああ!ごめんなさいごめんなさい!!!」


「寝不足の人がスヤスヤ寝てんのによぉ‥‥‥人いるか確認してから座れっつーんだよ」


あたしがすぐ様降りるとその人はムクリと起き上がり頭をぐしゃぐしゃっとかきながら口を大きく開けて欠伸をした


「あれ、部屋にもどこにもいないと思ってたらここにいたの?庵」


庵―――――――?!


「庵さんっ?!」


いきなり見知らぬあたしに名前を呼ばれてびっくりしたのか目を見開いてあたしを見た


「何で俺の名前‥‥‥‥‥って、あ。さっきの」


そう言ってニヤリと笑いながらあたしを指さし


「引き戸、押したり引いたりした馬鹿女」


そうです、と言おうとして考えた
‥‥‥‥‥‥馬鹿女って言った?



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