溺愛キング

｢類さんと優乃さんと一緒に居るみたいっす！今、類さんの車で類さん家に向かってるって連絡きました｣

『類さ、ん家か…？』

｢はい、類さん本人から伝えろって言われました｣

｢え、結局矢耶はどこに居たんだ？俺ら、あんだけ探したのに見つからなかった。しかも藍飛自ら探してたのに、、、｣


翼は考え込む様に眉をひそめた。


『翼。兎に角、見つかったならそれでいいんだ。類さんに感謝しないといけねぇ。とりあえず、類さん家に向かう』


俺はバイクの鍵を取り上着を着た。

すると、先ほどの連絡係の一人が


｢今すぐ車用意するんで、車で向かって下さい！｣

『いや、いい。バイクの方が早いし、早く矢耶に会いたい。早く矢耶の無事を確認したい』

｢それなら、尚更車の方がいいと思いますっ。帰り、矢耶ちゃんをバイクに乗せるんすか？！車の方がいいに決まってますよ！｣


身を乗り出すほどの勢いで俺に訴えかけてくる。

考えてもみなかった。

早く会いたいという一心で矢耶のことを考えてなかった…


｢ねぇ、藍飛分かった？藍飛はいつも大事なこと忘れてる。藍飛の方が一緒にいる時間は長いのに、周りの方が矢耶のこと分かってる｣


海亜のその一言は、ごもっともだ。


｢私だったら藍飛なんて絶対無理だけど、矢耶はそうでもないみたい。どこがいいのか分からないけど、矢耶の隣は藍飛だって思う。だから、ちゃんと仲直りしてよ？まぁ、矢耶次第だけどね｣