執事様、優しく教えて!

困惑している私の隣に


梗弥がさりげなく座った。



「本当に‥仕方のない人ですね」



いつも顔色を変えない梗弥が


また優しい顔をして笑っている。



「恋のはじめ方も、恋の仕方も、

全て私がお教えしましょう。

ひより様を大人の女性に、
私がいたします」



さすが梗弥だー!


いつも私が分からないことがあると
梗弥は丁寧に、優しく、教えてくれるの。



恋もきっと梗弥はいつもの様に
優しく教えてくれる。



「やったぁ!ありがとう梗弥!!」



「始める前にひより様に

確認しておかなければならない事があります」



「なぁに?「



「恋をすると言う事は、

楽しい事ばかりが起こる訳ではありません。

時にはつらい事や、悲しい事が
ひより様を苦しめる事になるかもしれません。

それでも恋をお望みですか?」



「恋って…、そんな大変なものなの?」



「えぇ、そうですね」



そうなんだ瑠璃があんなに楽しそうに話すから


楽しいことばっかりが起こるんだと思ってた…



でも…・・・・・・・・



「それでも私は恋をしてみたい

教えて、梗弥」



「わかりました。

では、その前にもう一つ。

2人でいる時はひより
と呼ばせてもらってもよろしいですか?」



「うん私もその方が気楽かも!」



「そして、2つ程、守って頂きたいお約束がございます」



「なによまだあるの?何?」



「一つ、私の言うことは
絶対に聞いてもらいます」



「うん、わかった!」



「二つ、この事は2人だけの

秘密です…いいですね?」



「うんっ大丈夫!約束する!!」



これから梗弥との恋が始まるんだ…



何だかワクワクしてきちゃうな♪
< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop