地味子の初恋
「うっ…痛い…」
「何、いつまでもしゃがんでるんだよ。とことん、地べたが好きな女だな」
そんなわけあるか!
突っ込みたかったけど、そんなこと言えるわけもなく。
せめてもの抵抗で、恨めしい視線をぶつける。
「あん?なんか、文句あんのかよ」
恐ろしい視線に返り討ちにあった…。
「なんでもありません…」
所在無さ気に、玄関で立ち尽くしていると何かが顔に当たった。
「ぶへっ」
思わず、色気の無い声を出す。
手に取ったソレはバスタオルで、これを投げるのは瑠稀しかいない。