トナリの無口くん
「野口は……平気なの??」
あたしは照れまくっている野口に言った。
野口は、真っ赤だった顔を次第に元に戻していく。
「……平気なわけないだろ」
小島のことなんて言ってないけど、野口は返事を返した。
「そりゃあ、ショックもあったし、あんなこと言われて悔しいよ」
やっぱり、野口もそうなんだ。
野口だって、普通の人間だもんね。
「でもさ」
………でもさ????
「高原が……かばってくれたから、もういいんだ」
「えっ……?!!」
野口はあたしの言葉に、ちょっとだけ微笑んで、もときた道を歩いていった。
戻ろう、とは言わなかった。