トナリの無口くん
「どういう意味???」
あたしは首を傾げる。
「小川って…やたらと首突っ込みたがるってか……とにかく、悪いと思った奴をどっかに連れ出して、長い長い説教聞かされんだよね」
野口が呆れたように言う。
「あっ……それ知ってるかも。二年とき同じクラスでさ。あたしの隣の奴が説教されてたわ」
美希は人差し指を立てる。
長い長い説教か……
どっかのおじいちゃんみたい……
小川って、理屈っぽい所あるからなぁ……
口げんかになったらまず勝てないな。
「あっ、高原、野口!!」
「小川」
あたしたちが振り向いた先には、小川の姿が。
その小川の五メートルくらい先に、小島もいる。
なんだか、表情が暗い……
これはこっぴどく叱られたな。
「帰ってきてたんやぁ。ボク今から探しに行こうと思てたのに」