華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
そういえば、こんなにずっと楓がくっついているのは、始めてかもしれない。
確かにいつも私の隣に居たけど…
必要以上に私に触れることはなかった。
「楓?」
フッ…と、楓が私に抱き着く力を弱めた。
ゆっくりと顔を上げた楓の目には、今にも零れそうな程の涙が浮かんでいた。
「…楓?どうしたの?」
私は、落ち着かせるように、優しく尋ねた。
「俺…侑希が消えてしまうんじゃないかと思った。」
楓は辛そうに、そう言った。
「いつも不安定だったけど…
今日は得に。あの殺気を感じたときから。」
楓が一つ、瞬きをするとその目から雫が落ちた。