華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




自分の無力さが歯痒い。



結局自分はエリカという優しさにすがって生きていたのだ。



もしもエリカが自分だけを想ってくれないなら、どこへ行けばいいのか分からない。



それは家族に対する深い愛情のようで、



愛しい恋人に向ける愛情のようでもある。






でも、どちらでもない。







楓はゴウという人の存在よりも、自分がエリカに捨てられる事を恐れた。








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