華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
結局その日朝日が昇る前に男は帰っていった。
楓はずっと眠れずに朝を迎えた。
ピピピッと鳴る目覚ましを止めリビングに行く。
するとテーブルに腰掛けた状態のままエリカが突っ伏して寝ていた。
「エリカ…?部屋で寝たら?」
「ん………?」
着替えもせずに眠っていたエリカ。
楓はエリカを起こしてベッドまで運んだ。
「…楓。」
「ん?」
「……スー―――」
名前を呼んで、ぐっすりと眠ったエリカを見て微笑みながらエリカの部屋を出た。