華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
楓は混乱した。
どうして知らない男がここにいるのか。
どうして自分の名前を知っているのか。
そう思っているなかで、ふと思い出した。
ゴウ…確か昔にエリカが名前を呼んでいた。
あの、明け方に家に来ていたらしいあの男…
その男が、どうしてここに?
「なんで…ここにいる……?」
ゴウの目を見ながら楓はそう言った。
ゴウは目線を楓に向けて言った。
「エリカから、聞いてねぇのか?」
楓はあまりエリカと話していなかった。
そのためエリカの最近のことなど何も知らなかった。