華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「楓、」
名前を呼ばれる声で、目が覚めた。
「蓮…」
目の前には、頬に傷を作った蓮。
どうしたのだろう、その傷は。
「もう日が暮れる。帰ろう。」
くるっと振り返り、保健室を出ようとする。
楓は蓮の腕を掴んだ。
「…どうした?」
蓮は少し驚いている。
「ケガ。ここ座って。」
楓が椅子をひくと、蓮は大人しく座る。
―――――――
チャリン
手当を済ませて、自転車に二人乗りをして帰った。