華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
それから間もなく。
小学校最後の二学期が終わる日。
楓は学校を辞める。
圭祐はわんわんと泣いていた。
めっきり喜怒哀楽の感情が感じられなくなった楓でも、圭祐との別れは悲しかった。
泣いたのは、圭祐だけではなかった。
クラス、学年のたくさんの女子。
ひそかに存在していたファンクラブのメンバー以外の女子ですら瞳を濡らした。
そんな日の放課後は……
バスケは出来なかった。
楓の心をうつしたように、ひどい雨。
傘忘れた…
と思いながら楓は濡れるのを気にせず蓮の迎えを待った。
そして、いつもとなんら変わりない一日として終わった。