華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
∇蓮士side
「チッ……」
………さっきから嘉の舌打ちが何度もなっている。
話し掛けようにも背中から黒いオーラがただよっている。
心なしか、だんだんと部屋の気温も下がっているような気もする。
いつもは一人でも喋っている李玖ですら静かに雑誌を読んでいる。
楓もこの雰囲気にイライラをつもり募らせている。
さっき部屋に来た結都は、ドアを開けた瞬間に顔色を変えて部屋から出ていった。
はぁ……
嘉がこんなにイライラすることは滅多にない。
しかも、情報関係ではとくに。