「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

───────
───



「考えは、変わらないんですか?」


病院から真っ直ぐに向かった場所は誠さんと出会った大切なこの場所だった。

静寂な空間の店長室。資料や書類が片側に積み上げられた重厚な机の上にはあたしの辞職願がポツンと置かれている。



「はい。突然のことで申し訳ありません」



そう頭を下げると店長の深いため息が空間を掠めた。


「そうですか…。あなたには期待していたから残念ですが…」


「申し訳ありません。ご迷惑をおかけします」



───────
────



一身上の都合という身勝手な辞職願を「残念です」と言葉を残して受け取ってくれた店長にお辞儀をして店長室を後にした。



あたしが、ここにいられる期間は店長の意向で後1ヶ月。


その間仕事の引き継ぎを完璧にするようにと言われた。

残された期間、悔いのないように仕事に専念しよう。


そう新たな決意を胸に抱き制服に着替えようと更衣室に向かおうした歩き出した時


「あっー…」


目の前に現れた彼に、あたしの鼓動は激しく波打ち床に足がくっついたように動かなくなっていた。



< 328 / 372 >

この作品をシェア

pagetop