新撰組~変えてやる!!

•2 昇格


 「そうか…」

 「それよりも、沖田さんの方は大丈夫でしたか?俺、あんな強い人に出会ったの初めてですから、手加減できなくて…すみません。痣にならないといいのですが…」

 葵は左頬をさすりながら言った。

 「ああ。ケロッとしてやがった。あいつ昔は体弱かったらしいが今は大丈夫みてぇだな。あいつの体調の心配はしねぇよ。」

 「副長………本当にそう思っているんですか?違いますよね?」

 土方は怪訝な顔で葵の方を見た。

 「……何が言いてぇんだ…?」

 「そうですね…簡単に言いますと、常に周りに気を配れということです。落ち着いて聞いてくださいね。…“私”の時代では、彼が労咳<ロウガイ>だったと伝わっています。現段階では判断しかねますが、気をつけておくべきだと思います。」

 葵は土方の目を見据え、言った。沖田は労咳、つまり肺結核で亡くなったとされている。労咳はこの時代では死病と言われている。すなわち対処法がない。土方は目を見開き、そのまま固まってしまった。

 「しっかりしてくださいよ。まだ、そうと決まったわけではありません。それに、俺が来たことで歴史が変わっている。まだまだ、歴史は変わりますよ。」

 「……ぉ~………」

 葵は外に目を向けた。起きた時には少し明るかっただけの光が、強くなっている。

 「…朝、ですか…?」

 「ん?朝だろうな…ふぁ~……眠い…ったく…髪、括っとけよ。平助は何も言わなかったが、それじゃ女に見える。」

 葵は腰の辺りまである髪を見つめた。

 「…確かに、こんなに長いと女に見えますよね。……いっそ、肩くらいまで切ろうかなぁ…」

 「…!?何故そうなる!?今は括るだけでいいだろーがぁ!!」

 葵は土方が怒鳴ったことにビクッと肩を震わせた。今の声で、何人かは起きただろう。

 「第一なぁっ!!俺だっておんなじくれぇ長さあんだよっ!!おめぇが切る必要、ねぇだろうがぁ!」

 更にヒートアップした声にはじかれたように起きた人が数人。

 「とっ、歳!?大声出してどうした?」

 声を掛けてきたのは近藤だった。


 
< 122 / 209 >

この作品をシェア

pagetop