結婚指輪をぶっ壊せ!
私と美和はクラスで・・・いや、学年でも珍しいぐらい地味。
スカート丈は膝頭ジャストで髪の毛なんか絶対染めない。
クラス内でも浮いてて、他のクラスのチャラチャラした男子に二人してよく絡まれる。
図書室に着いたと同時に美和がまた私の顔を覗き込んできた。
「ん?」
私は首を傾げる。
「今さっきから暗い顔してるよ」
美和は私の心配をしてくれていた。
自分でも気付かないうちに眉間にでもシワが出来ていたんだと思う。
「何にもないよ?」
私は奥歯を噛み締めて引き攣った笑顔を美和に見せた。
美和はまだ何か言いたそうだったけど私はすかさず文庫コーナーへ向かい、お気に入りの作家の本を手に取った。
「やった!新刊あったよ!」
美和はさっきの顔のままで、でも気持ち笑いながら私に
「よかったね」
と言った。