Distance-近いけど遠い存在-
「とりあえず会えればいいのよね?いきなり控室に行ったらまずいから、回りに隠れて待ってるとか」



「けどいつ出てくるかなんてわかんないし、警備の人とか一緒だったらやばいよ」


いっこうに話はまとまらないまま、時間だけが過ぎていく。



あーあ。
どうやったら接点が持てるんだろう…。

?!
なんかお腹痛い…。
飲み物飲み過ぎたのかな?




「ごめん由香、お腹痛いからちょっとトイレ行ってくるね」


「え、大丈夫?飲み過ぎだよー」

由香は心配してついてきてくれようとしたが、私が断ると席に戻った。



トイレくらい1人で大丈夫。

お腹なんてすぐに治る。



そう思っていたが、思ったより腹痛はしぶとい。


トイレの前に着いた頃には脂汗がびっしりだった。



ど、どうしよう…

やっぱり由香に来てもらうべきだったのかな…



――その時。


「大丈夫ですか?」

誰かに話し掛けられた。
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