Distance-近いけど遠い存在-
「君と話してると楽しいからさ、また話したいんだ。よかったら連絡してよ。」


私は益々混乱した。



「え、でも…。こんなことしていいんですか?」


国民的アイドルがファンの一人に連絡先を教えていいはずがない。


「本当は禁止されてるんだけどさ、俺、芸能界以外にあんま友達とかいないからさ、なってよ」




……な、「なってよ」って……


私は言われてる側…なんだよね?


色々と信じられないことが起こりすぎて、私の脳はショート寸前だった。



「…は、はい…」

それだけ言うのがやっとだった。


「じゃ、連絡待ってるね。あ、他の人には内緒だよ」


隼人は唇に人差し指を当て、「シーッ」のジェスチャーをした。



そして隼人は去って行った。
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