Kissより甘く…
──トントン

昔の思い出に浸っていると
ドアの向こうから声がした。


「稚空?卵買ってきて?」

「そんな気分じゃない」

「子供じゃないんだから!」


親って矛盾してると思う。
自分の都合が悪いと、
『子供なんだから!』
って言うくせに利用する時だけ
『子供じゃないんだから!』
っておかしすぎる。


そんなことを思いながらも
ベッドから重い体を起こし
リビングへと顔を出した。

「お母さん?」

「卵と醤油お願い」

「はいはい」


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