BOOKS

亮太が仕事に戻っていき、また新刊コーナーの本棚を眺めていると純花。
ふと顔をあげると、純花がいる本棚から少し離れた本棚に彼がいることに気づいた。


・・ドクン・・・・。


彼の存在を確認した瞬間、純花の心臓が大きく波打つ。

周囲の人に聞かれてしまっているのではないかと思ってしまうくらいに音がした。



約2週間前に彼から話しかけられた。

だったら挨拶くらいしても不思議ではないよね。


そう結論を出して、彼がいる本棚へ近づいて行く。

『こんばんは、お久しぶりですね。』

これだけ言えれば大丈夫。

純花は心の中で何回もセリフを繰り返す。




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