星空の追憶
「ありがとう……」


精一杯の大きな声で、だけど、賢治には聞こえないように言った


「何だって?聞こえねーよ」


賢治は立ち止まって聞き返す


賢治の所まで走り、歩きながらおどけてみせる


「何でも無いよー♪」


「何だそりゃ」


困った様な顔をする賢治


気持ちは伝えられなかったけど、今はこの時間が嬉しい…


こうして、私達の入学式は幕を閉じた


空にはもう、一番星が輝いていた
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