出来ちゃった恋愛
どうしようもないバカだし、結婚初夜に無断外泊するようなヤツだ。



だけどあたしを食べさせるために学校もやめて、慣れない仕事して…。



好きだった元カノの元へも行かずに帰って来てくれた…。



あたしは…やっぱりサキを好きみたい…。



ソファーに座ってCDを手にするサキの隣に座った。



サキの整った顔が好きなんじゃない…。



頑張ってくれてるとこが好き…。



悪っぽい雰囲気がいいんじゃない。



温かく包んでくれる包容力が好き…。



あたしはいつの間にかサキの内側に惚れている…。



「愛ちゃんと連絡取ったらヤダ…」

「もう取る気ねぇよ」

「愛ちゃんのこと思い出すのもヤダ」

「それはムリだろ~。一応好きだったわけだし」

「あたしを見てよ、サキ…。頑張るから…。サキに好きになってもらえるように…頑張る…」



ビックリした顔をしたサキは、照れたように笑ってあたしの頭を撫でた。



ポロポロと涙が零れて、止めたくても止まらない…。



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